さあ、おまえの大事なエプロンをいただこか!
エプロンどろぼう
エプロンはしてません
上田 貴子せんせ
え?保育士として大事にしているものはないんか?
エプロンどろぼう
わたしが保育士として大切にしているものは◯◯です。
・・・・・・
上田 貴子せんせ
ハッハッハ、お前の大事な◯◯は、コレクションにぴったりや。いただくで〜
エプロンどろぼう
ぜひ、お役立ててください。あ、
困ったフリした方がいいですか?
上田 貴子せんせ
…は、はい、一応お願いします。
エプロンどろぼう
バッチリです。
エプロンどろぼう
ということでインタビューを始めます。
保育士目指したキッカケは何ですか?
今も心に残っている言葉があって。
上田 貴子せんせ
ふんふん。
エプロンどろぼう
小学生の時にね、5歳年下の親戚の子が、家に遊びにきたんですね。
上田 貴子せんせ
その時に一緒にみたらし団子を食べてたらね、その子の口の周りにタレがいっぱいツイテたんですぅ(笑)
上田 貴子せんせ
ほうほう(笑)
エプロンどろぼう
でね、私には姉がいて、いつも姉が私をお世話してくれていたんですけど、その時は私が、その子の口についてたタレを拭いてあげたんです!
上田 貴子せんせ
ほんなら、近所の人が「いやぁ、良いお姉ちゃんやねぇ」て言ってくれはって。その言葉が今でも残ってます。
上田 貴子せんせ
近所の人は何処から来たんや、という疑問はさておき。
へぇーーー!
エプロンどろぼう
そこからですかね。でも私、小学校の時、ウサギになりたいって思っていたんですけどね(笑)
上田 貴子せんせ
どないやねんっ!(笑)今からでも遅くない、是非なってください。
エプロンどろぼう
ハハッ(笑)
上田 貴子せんせ
ほなら保育士を増やすには、口元にみたらし団子つけておいたらエエね。
エプロンどろぼう
うーんと、タレね(笑)
上田 貴子せんせ
あ…(笑)で、タレを拭いてくれる子がいたら「良い子やね」って言えばその子は保育士へ(笑)
エプロンどろぼう
ハハハハハ(笑)
上田 貴子せんせ
で、保育士になってどうですか?
毎日楽しいです!
上田 貴子せんせ
おおおおお!
エプロンどろぼう
わたしリウマチの持病があってね、過去に5年ぐらい入退院を繰り返してて、現場からちょっと離れた期間があったんです。
上田 貴子せんせ
そうなんですね。
エプロンどろぼう
それまでは、子どもと関わるのは普通の、日常生活の一部やったから「楽しいなぁ」とか「困ったこともあるなぁ」とか思ってたんです。
上田 貴子せんせ
でも、その病気になってから保育現場に戻ってきた時に、日常が「普通」に過ごせる事がすごいことやなって。
上田 貴子せんせ
うんうん。
エプロンどろぼう
で、子どもと何気ない会話や関わり、現場の先生たちと「今日こんなこと子どもがしてて〜」とか話してる、それがもう幸せやなって。
上田 貴子せんせ
うんうん。
エプロンどろぼう
子どもと関わってない期間が長かったから、当たり前の日常が私にとっては、かけがえがない。
上田 貴子せんせ
ほんまですねぇ。当たり前に感謝ですね。
エプロンどろぼう
保育の中で、特に好きな時間はあります?
現場の先生たちと 「今日こんなことあったよ」とか子どもの話をしてる時が一番。
上田 貴子せんせ
へー!
エプロンどろぼう
今は管理者の立場なので、現場の先生から聞く話に「それめっちゃ面白いな〜」とか言って会話してるときかな。
上田 貴子せんせ
うんうん。
エプロンどろぼう
同じ気持ちで笑い合っている時間が一番楽しいです。
上田 貴子せんせ
大人同士が喋ってる時。子どもの事でって言うのが良いですね。
エプロンどろぼう
そうそうそう。
上田 貴子せんせ
保育士を辞めようと思った事はあるんですか?
辞めようと思った事は…あります。若い頃ね。
上田 貴子せんせ
えーーー!それは、なぜ?
エプロンどろぼう
保護者対応がうまくいかず凹んだ時とか、初めて一人で担任を任された時はプレッシャーで、思いましたね。
上田 貴子せんせ
保護者対応、結構多いかもね、それで悩んでる人。
エプロンどろぼう
うんうんうん。
上田 貴子せんせ
でも、なぜ乗り越えてこられたんですか?
エプロンどろぼう
同期の力が大きかったです。
上田 貴子せんせ
偶然にも同期の方々と面識アリのエプロンどろぼう。
強烈やもんね、同期の方々(笑)
エプロンどろぼう
強烈(笑)
上田 貴子せんせ
私が病気と付き合いながら職場復帰できたのも同期のおかげで。何においても同期は私にとっては一番長い付き合いやから。
上田 貴子せんせ
そうなんですね。
エプロンどろぼう
そうです〜!3人でずっとやってきて、しんどい時も良い時も、ずーっとこの26年間やってきて。
上田 貴子せんせ
同期はもぉ…うわぁ〜同期の話をしたらいつも泣くっていう…(笑)
上田 貴子せんせ
そっかぁ!でも泣いたらカットで(笑)
エプロンどろぼう
ハハハハ(笑)
上田 貴子せんせ
素敵な関係やね。
エプロンどろぼう
ま、だから、保護者にうまく返せなかったことも、スキルが上がって解決した訳じゃなくて、同期に近くで支えてもらったり、共感してもらったりがあったから乗り越えてこれた。
上田 貴子せんせ
スキルじゃなくって「支え」。うんうん、横の繋がりは大事やねぇ。
エプロンどろぼう
そう!大事ですっ!!あ、そうそう、保護者対応のことで、とっても嬉しかった事があって!
上田 貴子せんせ
お!なになに?
エプロンどろぼう
初めて年長の1人担任を任された時やったんですけどね、あるお母さんから、こんなこと言われて。
上田 貴子せんせ
「お迎えに行った時に、上田先生は挨拶しかしてくれへんから子どもの様子がわからへん。○○先生は担任を離れても、子どものことを喋ってくれる。」って。
上田 貴子せんせ
ほぉ!!
エプロンどろぼう
しかもその○○先生は、後輩の先生やって。
上田 貴子せんせ
ほぉほぉ!!
エプロンどろぼう
私なにやってんのやろう…って…、なんかね、子どもにも保護者にもすごく申し訳ない気持ちになって…
上田 貴子せんせ
そうやったんやねぇ…
エプロンどろぼう
でね、そこから保護者との信頼関係を一から作り直そうって決意新たに頑張って。
上田 貴子せんせ
それで、最後、卒園式で「上田先生が担任で良かった」って言ってもらえたんです。
上田 貴子せんせ
うわーっ!感動や…
エプロンどろぼう
でね、更に嬉しい事があって。それから10何年か時が経って、そのお母さんがおばあちゃんの立場になって園に戻ってきてくれはったんです。
上田 貴子せんせ
その時に「立派になりましたね」って言ってもらえて…抱き合って喜んだんです。
上田 貴子せんせ
うわぁ。上田先生もそのお母さんもどっちも素敵や〜
エプロンどろぼう
保育士最高!長い間、続けてきて良かった!って思えた瞬間のひとつです。
上田 貴子せんせ
ほんまやねぇ。もう簡単には保育士辞められへんね(笑)
エプロンどろぼう
今の立場で、悩みはあります?
現場の先生のしんどさをどうわかってあげられるかっていう…
上田 貴子せんせ
あぁ〜。
エプロンどろぼう
しんどい時に、その先生が助けてほしいのか、ちょっと離れて見守ってほしいのか、っていうところの見極めが難しい。自分の力で乗り越えよって思ってはるのかもしれないし。
上田 貴子せんせ
その先生の内に秘めているものを、私たちはどう大切にすべきかを。
上田 貴子せんせ
なるほど…声をかけるべきかどうか、難しいですね。
エプロンどろぼう
管理者の私が言ったことで、その意見を通さなアカンって現場の先生に思わせるのが嫌で。トップダウンのやり方は嫌。それぞれの先生の気持ちを一番大切にしたいから。
上田 貴子せんせ
私ら管理者は、ほんまに「影の裏方の存在で」っていうのが、私も園長先生もポリシーとして持っている。
上田 貴子せんせ
ウンウン。
エプロンどろぼう
最後に、何の制限もなかったら、子どもと何したいですか?
えぇーわたし?
上田 貴子せんせ
えっと、わたし以外に誰いるんですか?(笑)
エプロンどろぼう
ははは、そうですね(笑)
上田 貴子せんせ
持病のことを忘れて思いっきり走りたい。子どもをいっぱい抱っこしたい。
上田 貴子せんせ
そやんね。
エプロンどろぼう
リズム遊びも、みんなワーっと走るあれがやっぱりできひんから…だから、ああいう、体を使った遊びがしたい!
上田 貴子せんせ
職員でリズム遊び研修を受けた時も、私はあの時できなかったんです。
上田 貴子せんせ
そっかぁ。
エプロンどろぼう
ずっとビデオ撮りながらすごいやりたかったなって…お馬さんとかも。すごく羨ましかったので。あの時を思い出したら、ほらね、もう、、泣きそうでしょ…
上田 貴子せんせ
うん、でもね、泣いたらカットなんで(笑)
エプロンどろぼう
ハハハハハ(笑) 採用してっ(笑)
上田 貴子せんせ
考えとく(笑)
エプロンどろぼう